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アンジェイ・ズラウスキーの映画「ポゼッション」ブルーレイ発売。

 株式会社スティングレイさんから2022年10月28日発売となった「ポゼッション 4KリマスターBlu-ray3枚組 超・特別版」を予約で購入しました。これは事件と言っても過言ではありません。

公式Twitterより。

そもそも、映画「ポゼッション」とは?

 まずは予告編をご覧ください。
 2020年にリマスター版が公開された時の予告です。

 このように、異様な、ちょっと触れてはいけない映画の匂いが漂ってくるかと思いますが、その通りの映画です。
 監督は「私生活のない女 」「狂気の愛」「シルバー・グローブ/銀の惑星」のアンジェイ・ズラウスキー
いや、そんな監督知らないけど、、、という方が多いと思いますが、撮る映画がすべて怪作のため、地元ポーランドでは上映禁止・製作中止の目に合い、その後フランスに渡り、異形かつ妙にエネルギッシュな作品を発表した、まぁカルト映画監督です。その彼が、美しきイザベル・アジャーニを起用して1981年に撮ったのが「ポゼッション」です。

ザックリとしたあらすじ

 舞台は冷戦当時のベルリン。まだ東西に分かれ壁があったベルリンが舞台です。
 長い単身赴任から、妻と子供が待つ家に帰ってきた主人公ですが、妻の様子が日に日におかしくなってしまいます。やがて妻の不倫相手の存在を知り、探偵を使って調査を始めるのですが、妻が誰にも秘密にしている「ある存在」が明らかになっていくのです。ある存在とは一体何か?謎が突きつけられていきます。

映画「ポゼッション」より
映画「ポゼッション」より

 予告にも入っていますが、何者かに憑依されたかのように狂気的で暴力的な奇行をくりひろげるイザベル・アジャーニ。とにかく美しい美しいその存在が、これでもかというくらい「異常な存在」に変貌し、周りの男性たちは疲弊しうろたえ苦しみ迷う、激しい愛情のぶつかり合いの映画でもあり、サイコスリラーでもあり、黙示録・神話的でもある映画です。だれも想像できない結末に、見終わった後「何だったんだこれは!」と僕らも激しくうろたえ、嫌悪しつつもまた見たくなってしまう不思議な官能性のある作品だと思います。

映画「ポゼッション」より
映画「ポゼッション」より


 とにかく、最近の映画の「安全にデートで飲み食いしながらあっはっはと見られる綺麗な映画」とは180度向きもエネルギーも違う、狂気ならぬ凶器のような作品です。ほんとうにおすすめです!

 この映画はソフト化はされていたのですが、こんな映画なので絶版となり、愛好家の間で高値で取引されていました。
 実際ズラウスキー監督の映画はDVD化されていない、されていても絶版ばかりで、見たくても見られないため、中古のVHSを探して購入したりする状態が続き、遺作の「COSMOS」は日本では映画館では上映会的にしか公開されませんでした。幻の遺作となってしまったのですが、現在はU-NEXTさんの配信で見ることが可能となっています。ありがたや・・・。新規の方であれば無料体験で見ることもできるようです。「COSMOS」も相当に手ごわい異形の作品でした。。。

 画像クリックでU-NEXTのサイトに飛びます。
(※本ページの情報は2022年11月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。)


 そんな状態を打開すべく立ち上がったのがスティングレイさんで、2020年にリマスター版をロードショーしファンを歓喜させ、ついに2022年に特典映像満載、作品への愛情が詰まりまくったブルーレイの発売をしてくれました!
 この特典映像は、今まで全く見ることができなかった映像です。それが7時間分!日本語字幕を付けるのも非常に大変だったそうです。


 ほんとにもう嬉しくて仕方ないです!!これを機に、ズラウスキーファンが確実に増えると思うと、にまにましてしまいます。
これを機に、これを機に、全作品をブルーレイ化・・・とかないかなぁ。。

多分、押井守監督も好きだと思う

映画「ポゼッション」より
映画「ポゼッション」より

 これはまぁ余談ですが、犬の水死体、らせん階段といった押井守の映画にも似たイメージが使われているので、押井守が好きな人にもお勧めです。
 押井もズラウスキーは多分好きだと思います。押井がポーランドで「アヴァロン」を撮った時にズラウスキーの「シルバーグローブ」衣装デザイナーのマグダレナ・テスワフスカさんを起用していますし、先日放送された「ルパン三世PART6」で押井が書いた台本(#4 ダイナーの殺し屋たち)の中にもズラウスキーの名前が出てきましたし。

  U-NEXTだとここから見られます。

  アマゾンプライムだとこちら

 ズラウスキーの映画と押井の映画、やってることは違いますが、どっちも鈍器で観客を殴るような映画を作る意味でよく似てるかもしれません。
 ぜひ見て頂きたい作品です!

こちらは通常版です。

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