いきものたち。 昆虫のなかまたち

秋の新しいお友達

 朝、ベランダに面した窓を開けたら、クモさんが来て巣を張っていました。
どこかから移動してきたみたい。朝の光の中で黄色と黒の足が映えている。

 写真を撮るために接近すると「ヤバイ」とばかりに端のほうへすすすすすって移動。僕が隠れるとまた、巣の真ん中の定位置に戻ってくる。なんとも可愛い。
ベランダにはトロ舟で作ったビオトープがあって、まわりにも植木が多く置いてあるので、巣を張りに来たのかもしれないけど、いかんせん10月の末で、以前いっぱい飛んできてたような昆虫は今はめったに見ないので、獲物を捕まえられるんだろうか。むし家の中にコバエはまだいるから捕まえてほしい。

 せっかくなので名前を調べたらジョロウグモのオスらしい。メスはもっと大きくて胴体が黄色っぽいみたい。毒は持ってるけど、噛まれても人体に影響はないみたいなので安心。ただ寿命が短くて、春に孵化、冬には死んでしまうんだとか。さらに、ジョロウグモの交尾はオスにとっては危険で、メスに食べられる事もあるらしい。。。
 ちょうど交尾の時期だと思うんだけど、この子は、この団地の5階に網を張って何をしてるんだろうか?五体満足だから、多分まだ交尾してないと思われる。ここに居ても女子と巡り会える可能性は低いと思うんだけどなぁ。
 このまま寒くなって死んでしまうのも、餌にありつけずに死んでしまうのも可哀そうなので、気になる。

 パソコンの作業をしながら、ちらちらクモさんを見るんだけど、巣の真ん中でひたすらじっとしてる。仕方ないんだけど、クモは巣を張って、獲物がかかるのをひたすら待つことしかできない。考えてみたら、これは相当な苦行だと思う。うかつに「( ´Д`)=3 フゥ 疲れたぜ」とか言いながら体操とかしてたら羽虫が寄ってこないから、動くことができない。
 そもそもクモの糸は、いい匂いがするわけでもないし、よほどぼー-------っとしてる羽虫でないとくっつかない気がする。巣を張って待つ、クモの労働と忍耐はとってもコスパが悪いのではないだろうか。食虫植物だっていい匂いで虫を呼ぶわけだし、クモさんそれでいいのか?って聞きたくなった。
 ハエトリグモみたいに巣を張らないクモなら、しゅ!しゅ!しゅ!と獲物を狙っていけるのに、このクモさんは、じっと、ひたすら待つ。

 見ているうちに、このクモは、僕に待つこと・我慢する事の大事さを伝えに来たんだはないだろか?という気がしてきた。僕は忍耐心がない。我慢が出来なくてイライラしてしまうのが欠点だ。クモさんは「どうだい?兄弟。我慢のしどころ、頑張り所ってあるんじゃね?」って僕に語り掛けているのだ。多分。

 秋の終わりに来てくれた昆虫のお友達。また明日ね?

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