アニメと映画など

「仮面ライダーBLACKSUN」が面白かった。

 アマゾンプライムで配信している「仮面ライダーBLACKSUN」監督:白石和彌、を見た。


 面白かった。でも各方面から相当に叩かれるとは思う。

 自民党そっくりのゴルゴム党や、安倍晋三そっくりな悪党一家や、全共闘そっくりな怪人の権利運動や、その辺にいそうな差別主義者や、在日外国人そっくりな被差別怪人達・・。でもやりきったから凄いと思う。

 作り手としては偽日本史として怪人がいる日本を描いたんだろうと思います。
 俺たちは怪人か?
 俺たちの運動をこんな描き方しやがって・・・って怒られそうだけど、現実に限りなく近いフィクションとして「差別」を描くには成功してると思う。「怪人をバスに乗せるのか?」「怪人は臭い」「怪人は出ていけ」という露骨な差別をきちんと描き、怪人も人間も命の重さは同じだと言いながらも、何の解決もさせないラストは美しいなと思った。すがすがしいというか。

 安倍晋三そっくりな首相の設定も、変な言い方だけど元首相が生きていたら、この作品は配信出来たのか?とも思う。最後殺されてしまうことも含めて、かなりデリケートな線で制作されていて、後々まで監督は叩かれる可能性がある。そういう意味でも勇気ある作り方だったと思う。
 実際に安倍晋三が暗殺されてしまったことで、作品的に発表できなくなる可能性もあり得るんだけど、そこも押し切ったなら、凄い事だ。

 実在の人物、実在の出来事に限りなく寄せて描いた本作は、多分多くの人には不快に映ったのではないだろうか?現実の不快さを突きつけられるから。
 嫌な気持ちになる、それはこの作品の狙い通りだと思う。現代に仮面ライダーを作るのに於いて痛快活劇なんかであるわけがないのだ。改造人間を作る歴史と怪人と呼ばれる人間がいる世界を、現代に描くなら、悪を描くしかないから。

色んな問題を、ぼん!と並べて、さあ君はどう考える?と問うこの作品。見てほしい。

(画像は全て公式のTwitterからの引用です。)

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